$60
オリジナルタイトル:Andīshah-hā-yi Falsafī va Kalāmī-yi Khwājah Naṣīr al-Dīn Ṭūsī
本書は、ハージャ・ナスィールッディーン・トゥースィーの哲学思想および神学思想を体系的に分析した研究書である。
【概要】
ナスィールッディーン・トゥースィーは、天文学者・数学者としてのみならず、理論哲学と自然学の両面を統合した独自の哲学体系を構築した思想家である。その知的立場は、アル=キンディー、アル=ファーラービー、イブン・スィーナーといった古典的イスラーム哲学者に連なるものである。
ガザーリー以後のイスラーム思想界では、神学と哲学をめぐって二つの潮流が併存した。一方は、ガザーリーに同調しつつ、哲学的要素を隠蔽した形で宗教法を優位に置こうとする立場であり、その代表がファフルッディーン・ラーズィーである。他方は、宗教研究を前提としながらも、哲学的探究を正面から展開する潮流であり、その中心的人物がトゥースィーであった。
本書は、哲学者と神学者の対立が『哲学者たちの自己矛盾』以後に終息したのではなく、トゥースィーの思想において新たな形で継続・深化したことを明らかにし、後世のイスラーム思想史における彼の決定的役割を示している。
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